詩・脱線

いや、べつに降りるつもりはなかったんだ

言葉が生まれ 火が生まれ

人はうろたえ 人は調子に乗り

火はあらぬ方角へと蒼白く突き進む

淫らな風がその火をその気にさせる

言葉って代物は頭に収まりきらない

膨張した言葉には愛も酷さ なんだって入ってる

俺は俺かと分かった時 時すでにおそし

人は人を見なくちゃいけない

人は人に見られなきゃいけない

大事なもの捨てて そこそこの心でそこそこ笑うか

大事なもの決して離さず 信じがたい苦痛と共に生きるか

後者はまったくの一人だ

分かるか?まったくの一人