詩・Looking at the sky

たまには外に出かけるべきよ

そういう時の顔のアドバイスなんて

遠い時に嘘だと分かってたが

俺は出た

玄関ドアとブーツの紐一本がはさまって

そんな感じで鍵を閉めてたんだ

いつも考えてしまう公園の地

土なのか 小さい石粒なのか

コンクリートの粒なのか

分からない俺は やっぱり阿呆なのか

こんな事考える俺は やっぱり阿呆なのか

鳩の糞をさけてベンチに座る

空の美しいところだけ眺める

俺は指二本を美しいところから二回スライドさせた

たったそれだけで 暗い雲へといく

大部分の暗いところは見ちゃダメとアドバイザーは言ったけれど

俺は見たくないものも見る

すべての空に目を通す

今頃あいつは無数の四角のエクセルに目を通している

すべての空を見た

そこで学べる事もあるっていうのを

アドバイザーは知るわけない

西の美しいところの空を深く見る

もう そうじゃなく 目を大きくしてよく見るんだ

すぐに美しいところは山の向こうへ隠れた

朝に見た 手の届きそうな空

空の影は地には無い

上にある空は 下に影ができるって思わないのか?

とても不思議に思う俺は やはり阿呆なのか

アパートに帰って とても上手に描かれた空の絵を

テーブルに向き合わせて持つ

四角い黒い影がテーブルに浮きたつ

手に届きそうなっていうのと 手につかめるとは大違いだと思う俺は

やっぱり阿呆なのか

恐ろしく日当たりの悪い部屋 朝起きてすぐに動く手は蛍光灯をつけるボタン

俺はもう一度公園へ行った

たった そう たっただけですぐに夜になる

コンビニ行って ボス・ブラックを買う

俺が座ってたベンチにワンピースの女が座ってる

たった そう たっただけで 俺はさっきのベンチに座れない

他のベンチには背もたれが無い そこで俺は深刻な腰痛を感じる

それでも俺は女を観察する

去年の夜のベンチに一人の女なんて無かった

今 人は空気を恐れ 人を警戒し 人を監視している

ひょっとすると あの女は俺を監視アプリで調査してるかもしれない

だったら 星一つしか出ていない空でも

俺は女をさけて 空を見る

こんな事ばかりの俺は

やっぱり阿呆なのか

なぁ、阿呆なのか?